美桜へ

こうして美桜に書く最後のお手紙になりますね。

オーディションの時も、レッスンの頃も全くと言っていいほど美桜との思い出はなく、2期生のお披露目が決まって「会いたかった」のレッスンが始まった時に突然隣にやってきた人という印象でした。

そこから『めるみお』と呼ばれて2人での仕事が増えたよね。

お互い比べられることも多かったし、自分のことにいっぱいいっぱいで、喧嘩もよくしたよね。

正直そんなに仲良くなかったと思う。

朝長美桜「そうだね。私も思う」
田島芽瑠「ねっ」

初めて2人で真面目な話をしたのは「メロンジュース」の時、私のお部屋に来て話しましたね。

私の部屋の前ははるっぴさんの部屋で、さくちゃんとはるっぴさんは2人でお話してて、向かい合うようにして、部屋は別々だったけどお互い相方と語り合ってる状況はまるで映画みたいでしたね。

初めてのMステが「桜、みんなで食べた」で2人で喜んだのも懐かしいね。

だけどいざ本番が始まると、なこみくばかりフューチャーされて、楽屋とかでは一切悔しさは出さなかったけど、2人で部屋に帰ってから泣きながら話したよね。

私も美桜も負けず嫌いだし、色んな思いを毎回部屋とか握手会にある着替え場とか人気(ひとけ)がいないところでお互いぶつけて発散してきましたね。

境遇も一緒で、何かある度に感じることが一緒だから、今までを振り返っても2人で仕事の話しかしてなかった気がします。

卒業の話を聞いた時、「そっか~」って受け止めたふりしたけど、本当は全然で、まだまだずっと一緒にいたかったよ。

怪我をして、それでもリハビリを頑張って頑張って、1曲また1曲って踊れる曲が増えて、さくたべをコンサートのステージで歌えた時は本当に嬉しかったよね。ステージ上で一緒に泣いたね。

あまり感情を表に出さない私も、美桜には何でもさらけ出せました。

たくさん泣いたし、たくさん怒ったし、たくさん笑ったね。

どんな時も美桜は私の先にいてくれました。総選挙だって私は追いつきたくていつも必死でした。

美桜の背中は強くて、まっすぐしてて。でも「芽瑠ちゃん、早く来てよ」って声がするような優しい背中でした。

いつだって私の道標になってくれてありがとう。

いつだって私のライバルになってくれてありがとう。

美桜がいなかったら私はここまで来れませんでした。

もっともっと私の走るスピードが早かったら2人でまたダブルセンターできたのかなって思ったら、それだけが私の後悔です。

そして、美桜はやっぱり私の先に行くんだね。

あんなに泣き虫だった美桜がまっすぐ卒業発表をした日、いつも以上に輝いてて眩しかったし、隣にいれて凄く嬉しかったです。

いつまでもどこまでもアイドルで、キラキラしてる美桜。これから先の未来もキラキラ可愛くいてください。

約7年ちょっと一緒にいてくれてありがとう。

美桜と出会えたことは私の人生の宝物です。

これからも仲良くしてね。

ずっと親友

芽瑠より

(2020年1月15日 西鉄ホール R24「博多リフレッシュ」公演)