姫楓、18歳のお誕生日おめでとう。

おかあちゃんです。

今ではすっかり大きくなって、背だって追い抜かされたけど、生まれた日のことは今でも昨日のことのように思い出せます。

いつだって、どこへ行くのも一緒で、小学校へ通い始めて最初のお友達の家に遊びに行った時、帰り道がわからなくて「遭難した」と泣きながら帰ってきた子供が、あっという間に名古屋で夢のきっかけを掴んで、1人暮らしまで始めるなんて。去年は展開の早さに周りの誰もがビックリしたね。

激動の1年間、改めてそこから見える景色はどんな風に目に映っていますか?

小学生の頃からアイドルになりたくて48さんや坂道さんのオーディションにチャレンジしたね。

それまでは家から遠いと言っても東京でやっているオーディションだったので、高2でSKE48の9期生を受けてみると聞いた時はめちゃくちゃ驚きました。

二次審査で初めて1人で新幹線に乗って県外へ出て、審査に通った直後、名古屋からLINEで飛んできた二次合格のお知らせと「産んでくれてありがとう」って言葉を見た時、もしかしたらこの子はここでお世話になるのかもしれないなって予感がしました。

それからは本当にあっという間だったね。

目立つことや人前に出るのが苦手で、ちょっと飽きっぽいとばかり思っていたのに、中学校では演劇部、高校では友達に誘われてダンス部。チャレンジする部活動は人前に出るものばかり。

ダンス部ではフォーメーションダンスのチーム練習で毎日朝早くから遅くなるまで参加をして、大きな大会で関東2位に入賞したね。

途中でバイトも始めて、時々くじけそうになりながらも頑張って諦めずに続けたこと、今思えば1つも無駄じゃなかったね。

アイドルになる以外に他の道は考えていなかった中3の時、進路がなかなか決まらず、高校に通わないなんて選択肢もあって、結局滑り止め受験なしで公立に挑んだでしょう。あの時は担任の先生もお母ちゃんもヒヤヒヤしたものでした。

これまで縁もゆかりもなく遠いようで意外と近かった名古屋。離れた土地で1人暮らしをさせるのも心配でしたが、友達作りはいつも少数精鋭の姫楓がたくさんのメンバーさんの在籍する中でうまくやっていけるのだろうかとても心配で、とにかく心配だらけで。

でも新しい世界へ飛び込む本人はもっと不安だったよね。

すぐに泣いたり、自分はいいやって人の後ろに隠れてしまう子が、仲間たちと楽しそうにステージで立っている姿を最初に見た時はビックリしました。きっと、とっても頑張ったんだと思います。

素敵な仲間にも恵まれたね。本当によかった。

この1年充実していただろうし、その分悔しい思いもいっぱいしたね。

去年の今頃だったかな? まだまだ寒かった時期に初めて参加させてもらう公演の「シンデレラは騙されない」という曲でマイクを任せてもらえるポジションではないことがわかった時、悔しそうだった。

それからしばらく経って、曲の雰囲気に合わせて気合い入れて踊ってみたら自分なりの手応えがあったことを教えてくれたね。

悔しいことを悔しいままで終わらせていない、今まで見たことなかった成長した姿に感動しました。

自分も超えることは、周りと自分を比べるよりも大事なことだよね。

私たちがいつも仕事優先で姫楓にたくさんの我慢をさせてきてしまったことがこれまでずっと心に引っかかっていました。今まで協力してくれて本当にありがとう。

これからはずっと姫楓のターンです。

お父ちゃんお母ちゃんが引き続きサポートしていくので、周りへの感謝の気持ちと尊敬の念を忘れず、自分らしく目一杯楽しんで挑戦しておいで。いい1年にしてね。

応援してくださるファンの皆様、メンバーの皆様、スタッフの皆様、そして今回娘のために貴重なお時間を使って準備してくださった生誕委員の皆様、今日はいつも温かいお力添えもありがとうございます。

不器用で言葉足らずで誤解されてしまうこともあるかと思いますが、親孝行の気持ちが優しい子です。本人がのびのびと活動できる場を作っていただいていること、本当にありがたく思っております。

18歳になったSKE48の荒野姫楓をこれからもどうぞよろしくお願い致します。

(2020年1月12日 SKE48劇場 「手をつなぎながら」公演)