想乃ちゃんへ
22歳のお誕生日おめでとう。
最後の生誕祭は楽しんでいますか?
卒業してからは改めてお手紙を書く機会もなかなかないと思うので、この場を借りて想乃ちゃんへのラブレターをしたためたいと思います。
もう分かりきっていることだけど、私は想乃ちゃんのことが大好きです。どのくらい好きかと言うと、何て書こうかなと考えながら歩くと涙が出るくらいに大好きなので、大切なのが想乃ちゃんです。
少し前、違うところで「好きになったきっかけを覚えていない」と書いたけれど、手つなのゲネプロで、客席で見学をしている想乃と目が合った時、私は好きになったんだと思い出しました。悔しいはずなのに笑っていたのです。この子は強い子だなーと惚れ込んだあの日からもうすぐ6年が経ちます。
でも今思うと、あのとき想乃ちゃんはカッコ悪い姿を見せたくなかったのかなと思います。いつだって想乃ちゃんは極力カッコよくいようとしますね。
自分が我慢をしたり、逆に頑張れば成り立つことがあれば逆らわずにその道を通る想乃ちゃんに正直もどかしくなることもありました。もっとわがままになればいいのにって。だけど何度考えても、そういうところが好きなんだよな~という結論になります。
そういう精神みたいなものを持っている想乃のことを尊敬すると共に、美しくて気高くて好きだな~と思うのです。
そんな想乃ちゃんが時々、本当に時々、不安や考えていることの一部をこぼしてくれることがあります。本当に素直じゃなくて、推理ゲームのヒントくらい少しずつなんだけど、とても可愛くて、愛おしくて、どうにかできないかなって思ってしまいます。
私ばかりが想乃を好きだというイメージがあるかもしれないけど、想乃からの愛はそういう時に感じるのです。
卒業発表の数日前、電話をかけてきたね。想乃が色々考えて溢れ出して、こぼしてくれたその電話で、「阿紀ちゃんがキャプテンになった時、やめるのやめようかなって思ったよ」と言ってくれました。「心配だから」と言ってくれたその言葉が嬉しくて、悲しくて、「だったらそうしてよ」と泣きついてしまいました。
そしたら想乃は「でも9日に言っちゃうんだよ」と泣きましたね。
思えば泣き言を聞いたのは初めてだったような気がします。想乃も寂しいに決まってる。その涙は何度か見てきたけど、想乃ちゃんの泣き顔はいつも少し笑っていたような気がします。電話口ではどうだったのかな? 多分いつもみたいに少し笑っていたんじゃないかな。想乃ちゃんのそういうところが大好きで、そういうところが心配です。お互いがずっとこっそり心配し合っていたんだね。
長いですね、ごめんなさい。
でも最後に。これから先、想乃ちゃんがどんな道へ進もうと、想乃が想乃である限り私はずっと好きでい続けるでしょう。
選抜に入った時、シンデレラのセンターになった時、そしてこの間も、大事なことはいつも電話で話してきたね。だからこれからも「阿紀ちゃんに言いたいなー」って思った時には迷ったりせず、いつでも電話してね。昼夜問わず待ってます。
アイドルとしてのあと少しも、そこから先の未来も、想乃ちゃんが信じるやり方で真っ直ぐに楽しんでね。
想乃ちゃんが笑顔でいれる22歳であることを心から願い、そして想っています。
改めて、お誕生日おめでとう。
豊永阿紀
(2022年11月15日 西日本シティ銀行 HKT48劇場 チームTII「恋愛禁止条例」公演)