命へ

今日はお手紙を書かせていただけるということで、今まで命に言えなかった思いとか伝えたいこととか正直に話すね。

オーディションに2期生として合格してから今日まで同じ時間だけ一緒にSKEで過ごしてきました。

出会った時からしっかりしてて、あまり年下と感じることも少なくて、周りが笑ってくれるならと空気を読んで楽屋でもみんなを盛り上げてくれる姿は今と同じでずっと変わらないね。

同期だけどたくさんメンバーがいたから昔から近い距離で仲が良かったわけじゃないけど、命が「あかーねちゃん」って呼んでくれたのが凄く嬉しかったよ、妹みたいで。いつの間にか「あかね」になってたけどね。

同じチームKIIで始まったはずなのにオリジナル公演がもらえるってなった時に命も真木子もいなくて。2人は信じてくれるかわからないけど、本当は一緒に作りたかったです。

でもこんなことを伝えても苦しめるだけだと思って気持ちは言いませんでした。ごめんね。

SKE48の組閣が行われて、命がKIIに戻ってきました。嬉しい気持ちと、なんだか心にまだ解消されていないトゲみたいなのが残ってて、チームとしては凄く楽しかったけど、やっぱり私と命としての距離はなんだか心の溝を埋めることがうまくできませんでした。

だんだんと同期は少なくなって、るみ、きょんちゃん、安奈と6人になってからやっと2期生を同期として意識し始め、2期会なんていうご飯会とかしちゃったりして、こっ恥ずかしくて口にはできなかったけど、なんか凄く嬉しかったです。同期の大切さを感じるようになったのがその時でした。

真木子がキャプテンに選ばれて、それが板についてきて、命がストロベリーパンチで大活躍して、総選挙で初ランクインして、ファンもメンバーもみんな涙して喜んだり、3人になってからは2人の活躍が目に見えて嬉しくて、同時に私も頑張らなければと刺激になっていました。

いつも近くにいたはずなのに相変わらず心の距離は遠いままで、命のそばには常に誰かがいて、1人2人じゃなくてたくさんのメンバーが囲むようにいっぱいいて近づけませんでした。近づく勇気もなければ、近づいてもどうすればいいかわかりませんでした。

でも、ある日『むすびのイチバン』のSHOWROOMで命が「明音と2人は気まずい」って話してるよってファンの方からリプがきて、そのとき意を決して乗り込みました(客笑)

めっちゃ勇気出しました。ちょっと傷ついたけど、まぁ知ってたしと思って。

でも、あの日からお互いに気まずいって思っている気持ちを隠さなくてよくなって、むしろ気まずさが晴れたというか、そんな感じでした。

次第に自分たちの10周年が現実的に目の前に見えてきて、「2期生で公演がしたい」って2人に伝えたら「やろや!」って2人が言ってくれて、2期10周年プロジェクトが始まりました。

真木子が基本スタッフさんと打ち合わせをしてくれて、命が基本グッズのデザインをしてくれて、私は基本「楽しみね」ってニコニコしてるだけでした(爆笑) ありがとう。

内山命「そうだったね、本当に」

本当に何もできなくて。楽しかったです、そんな時間が。

1つ1つのことが形になっていく度に嬉しくて楽しくて、同期がいて一緒の気持ちで10周年を迎えれることって当たり前じゃないんだなって身にしみて、真木子が間に挟まってくれていたこともあって少しずつ2人のわだかまりも溶けていきました。

3人でラジオに呼んでもらえて、取材もしていただけて、SHOWROOM配信したり、10周年公演のセットリスト会議、そして10周年公演、ゼロポジが企画してくれた沖縄旅行、全部が楽しくてキラキラしてて、10年頑張ってきて良かったって心から思いました。

このたった2ヶ月ぐらい、10年過ごしてきた中で心から笑って一番楽しくて、ワクワクした時間だったかもしれません。

同期は頼もしくて、時にエモくて、そして決して増えないものなんだなって、大切にしなきゃダメな存在なんだなって、ここまで一緒に諦めず残り続けてくれた2人が教えてくれました。

でもこの半年でやっと仲良くなれたから、9年間と10ヶ月分の埋め合わせはこの先でよろしくお願いします(拍手)

でもやっぱり2人っきりはちょっと恥ずかしいから3人で、私がいつか卒業したら3人で飲みに行こうね。

命と仲良くなれてから見つけられた命の素敵なところがたくさんあります。その中で一番素敵だなって思ったことは私や真木子が常に刺激を求めている中で命は「普通、いつも通りが一番幸せなんやで」って言っていたことです。とても心救われる思いでした。命らしくてとっても好きです。

命、卒業おめでとう。

今日までいてくれて本当にありがとう。

高柳明音

(2019年5月30日 SKE48劇場 チームKII「最終ベルが鳴る」公演 内山命 劇場最終公演)