綾巴へ

10月9日で15歳になったね。14歳の今頃は6期生オーディションの最中だったね。去年の夏、突然「SKE48のオーディションを受けたい」と応募期限ギリギリに言い出し、私たちは「やるからには中途半端な気持ちじゃダメだからね」と伝え、綾巴は「絶対に諦めない。がんばるから」と言ったね。

小さい頃から意思が強く、好きなことはとことんやる子で、保育園では「プラフープが出来るまで何時間も顔を真っ赤にしながらやっていた」と保育士さんから聞いたりし、根性は人一倍ありました。

負けず嫌いで、小学生の時、1学期の通知表をニコニコしながら持って帰ってきて、私に自信満々に見せてくれたけど、お姉ちゃんの方が成績が良かったと知った途端、部屋の扉をバーンと閉め、寝室の布団に潜って悔しがってたね。

いつも悔しかったり、泣きそうな時は布団に潜って泣く子だった。真夏だろうが、クーラーも着けずに潜って泣き疲れてそのまま寝ちゃってたね。

汗だくだくになってもスースー眠ってて、発酵してんじゃないのか?と何度思ったことか。今もその負けず嫌いな面が活きてるね。

レッスン当初はアイドルステップすら出来ず、家で毎日何時間も練習してたね。足の裏の皮が何度もベロベロにめくれて、痛々しかった時もありました。

ダンス未経験で振りがなかなか覚えられず、コンサート前、ホテル宿泊をしていた時、弱気なメールが届き、訊いてみると「振りが頭に入らない。でもみんなに迷惑かけれない。みんなもう寝ちゃった。1人でずっとやってるけど、もうどうしたらいいかわからない」とパニック状態で泣いてたね。

すぐにでもギュッと抱きしめたかった。綾巴がこれほど苦しむのなら、もう普通の生活に戻った方がいいと思ったこともあったよ。綾巴はいつも「時間が足りない。1日24時間じゃ足りない」と言ってるね。

1つの壁を乗り越えたら、また大きな壁があったね。珠理奈さんのアンダーと決まり、とてつもないプレッシャーとの戦い。毎日レッスン後に家でも何時間も練習をし、少しご飯を食べ、お風呂に入り、寝る時もベットでDVDを見ながら眠りに就き、少ししか寝れない日が続き、朝ごはんを食べる時、まるで小さな子供のように口にご飯を含んだままこっくりこっくりと眠ってしまってたね。その姿を見るのが辛かった

ダンスを習ってさえいれば、これほど苦しまなかったのかもしれない。習わせてあげれなくてごめんね。

綾巴が苦しんでいる時、支えてくださった先輩方や同期の方、手紙で心配してくださる方、スタッフのみなさまには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

今ではSKE48が生き甲斐だと言い、精神面でもかなり強くなりました。

初心を忘れないこと。憧れの世界に入れたことがどれだけ幸せなことなのか。支えてくださる方々に感謝する気持ちをいつまでも持ち続けていってね。

まだまだ未熟なところもたくさんあるけれど、SKE48が生き甲斐だと言える娘を誇りに思います。

母より

(2013年10月12日 SKE48劇場 研究生『会いたかった』公演)