絵未梨さんへ

お誕生日おめでとうございます。

私はSKEに入った頃、研究生の先輩では斉藤真木子さんやエンジェルさんとはすぐ話せるようになったけど、見た目が怖かった絵未梨さんには近づけませんでした。

でも先輩たちが卒業や昇格でだんだん少なくなって、残った研究生でレッスンや公演をするようになってがんばっている絵未梨さんを見て、どんどん尊敬するようになりました。

今では尊敬し過ぎて「この曲ではここが絵未梨さんの声が一番聴こえるパートだ」とか「このパートの絵未梨さんの顔は見逃したらいけない」とか私の耳や目が絵未梨さんのために勝手に進化していきました。キモイですか?

公演で披露する曲が変わって、ポジションの発表がある度に、私は絵未梨さんのポジションを見て「どうして? 絵未梨さんはもっと前でしょ? 絵未梨さんにはもっと前で踊って欲しい」って自分のことのように悔しかったです。それは一生懸命がんばる絵未梨さんを見てきたからです。それでも何も言わずに与えられた所でがんばる絵未梨さんが大好きでした。

3月の初めに4月生まれの生誕Tシャツをデザインすることになった時、「なるちゃん、私、最後の生誕Tだからお揃いにしようよ」て誘ってくれたこと、本当に嬉しかったです。嬉し過ぎて上手く描けるまで、何回も何回も描き直しました。

私に急なアンダーで声がかかって不安そうにしていると「がんばって。なるちゃんならできるよ」って励ましてくれたり、終わるといつも「大丈夫だった?」ってメールで心配してくれました。絵未梨さんに「がんばって」って言われると何でもできる気がしました。

握手会の後、私が誰とも時間が合わなくて、1人でいた時、「なるちゃん、一緒に遊びに行こう」って声をかけてくれたり、「弟子にしてあげる」って言ってくれたり、本当にたくさんの「ありがとう」を言いたいです。

卒業してしまうことは初めは知らなくて、でも色んなことで何となく気づきだして、でも怖くて聞けませんでした。4月に入ってからはこのまま時間が止まってしまえばいいのにって何回も思いました。

そして、ガイシホールでのコンサートで昇格発表がありました。私は自分の名前が呼ばれた時、一番に絵未梨さんのことを考えました。絵未梨さんがこんなにもがんばってきて昇格できずに卒業していくのに、私なんかが昇格していいの?って苦しかったです。絵未梨さんは「おめでとう」って笑ってくれました。本当は悔しかったはずなのに笑ってくれたんだと思います。

そんな私の大切な師匠の絵未梨さんがもうすぐいなくなってしまうなんて信じられないです。それでもその日はもうすぐ来ます。SKEじゃなくなってもずっと私の師匠です。私にもいつか弟子ができるぐらい、もっともっと努力していきます。

私は14歳の1年はがんばるので、絵未梨さんも19歳の1年をがんばってください。

あっ、書き忘れてました。絵未梨さんが私に一番最初に話しかけてくれた言葉は「誕生日一緒なんだよ。写真撮ろっ」でした。覚えてますか?

絵未梨さんのその時の髪型はポニーテールでした。合ってますか?

なるちゃんより

(2013年4月15日 SKE48劇場 / 研究生『会いたかった』公演)