朱里、そして応援してくださる皆様へ

朱里、24歳のお誕生日おめでとう。

24歳の響きはちょっと信じられないけど、もう立派な大人ですね。

お手紙またママ?と思われるかもしれないですね。在籍も長くなりすぎたかな。生誕祭も10回目で、私も何度か書かせていただきましたが、これも今回が最後だと思うととても寂しいです。

毎年毎年素敵な生誕祭をしてくださり、劇場前の階段を下るところから年々豪華になっていく綺麗なお花や素敵な手作りの装飾、オリジナルポスターのデザインの素晴らしさに毎回感激して楽しみにさせていただいておりました。本当にありがとうございます。

今年は数々の活動ができなくなり、48の活動の原点である劇場公演も少人数での配信のみ。原動力となる握手会も再開されない状況の中で未だに先が見えず、朱里は延ばし延ばしになっていた卒業発表をとてもとても悩んでいました。

ここ何年かのお仕事の目標は1つ1つ言葉にして夢を叶えてきた姿は自分の娘とは思えないほど立派で頼もしかったと思います。

自粛期間から1人になる時間が増えたのか「今こう考えているんだけど」と突然電話をかけてきては話だし、会話する中で自分の考えを整理しているのだなと思って聞いています。

今まであまり振り返る時間もなくずっと走り続けてきた中で、今日も明日も明後日もスケジュールが埋まっていない、ぽっかりとあいた慣れない時間にしばらくは少し戸惑っているようでしたね。

走り続けてきた人が立ち止まると気付いちゃうんですよね。もう少し自分を大切にしようとか正直に生きようとか。この期間にそんな風に思った方、少なくないのではないでしょうか。

たくさんたくさん色んな話をして、何かの話で「絶対と言い切れるの?」という話になり、突然「絶対なんてないもん! 絶対って思ってたけど叶えられへんもん! アイドル最後の夢は絶対大きな会場でたくさんの人に来てもらって卒業コンサートするって決めてた。あとはそのために頑張ってきたけど叶えられへんもん。だから絶対なんて言えない!」と凄い剣幕で言われて、しばらく私は言葉が出なく、「そうやね。絶対はないよね」としか返せませんでした。

あれからもう何日も過ぎて、頭の中にあるのだけど、なんと返せばプラスに働くのか言葉が見つからず、ずっとモヤっとしたままです。頑張って朱里は絶対なんでも叶えてきたのにね。

振り返ると10年間楽しいことより苦しいことの方が多かったかもしれないかな。

小学校と中学校の義務教育より長い時間をNMB48で育てていただきました。運営の皆様、メンバーの皆様、関わってくださった方々に大変感謝しております。

支えてくださったファンの方々のおかげで普通では見ることのできないたくさんの素敵な景色を見させていただくことができました。本当にありがとうございます。あと少しになりましたが最後までよろしくお願い致します。

10年間諦めず、投げ出さず、選んだ道を歩み続けてきたことはこれからも朱里の自信となる素晴らしいことだと思うので、自分を信じて新たなステージに向かえるように残りの活動も1つ1つ大切に丁寧に頑張ってくださいね。

本日はどうもありがとうございました。

母より

(2020年8月26日 NMB48劇場 オンライン生誕祭「吉田朱里 生誕祭」)