成美へ

この度は二十歳のお誕生日誠におめでとうございます。

早速ですが出会った頃の印象は「俺に触ると怪我するぜ」的なライバル校のエースみたいな空気をまとった人だなー、でした。

あまり人に心を開かなそうな、そっとしておいて欲しそうな、そんなオーラを放つあなたを「成美」と呼んだり、MCで必要以上に絡んだりするのは私の中で賭けでした。

「仲良くなりたいなー。いや、嫌われるかな」って葛藤があったけど、今日このお手紙を書かせてもらっているということは賭けに勝てたのかなー、なんて調子に乗りながら成美との思い出を思い起こしました。

成美は真面目が故に不器用だから、たまに人から誤解されることがあるんじゃないかなと思ったりします。

忘れもしないサムネイル公演。自分の中のポリシーを大切にするあまり、変化を受け付けない成美の発言に8つも歳の違う私が大人気なく反応してしまい、一度MCをとんでもない空気にしてしまったことがありました。成美は覚えているかわからないけど、あの時はごめんなさい。

その後、チームKとして一緒に活動をして成美と過ごす時間が増えたら、それまで知らなかったたくさんのことに気づきました。

意外と自分に自信がないこと、ダンスがめちゃくちゃ上手いのは決して才能じゃなく陰での努力があること、ちょっと苦手なMCもこのままではいけないと試行錯誤していること、仲間思いで涙もろいところも一緒に活動していなかったらわからなかった一面を知る度に私はどんどん成美に惹かれていきました。

成美の全力パフォーマンス中の背中を見ながら踊る公演は刺激的でとても楽しいし、照れながら頑張るMCも大好き。何よりチームKコンサートの「支え」で号泣しているところを見た時はライバル校と最高の試合を経て、こちらを認めたエースが固い握手をしてくれた、みたいな感動がありました。仲間になれたんだなーって、本当に嬉しかったなー。

後輩には基本「頼りにされたい、好かれたい」と思ってしまう私ですが、成美に対しての思いはなんだか特別で、一生片思いでいいやって思ってます。

これからも可愛い顔に似合わない強気な姿勢と圧倒的パフォーマンスでたくさんの人を恋い焦がれさせてやってください。

もしも同期のメンバーやマネージャーさんには近すぎて逆に相談しづらい、なんて悩みができた時、私の顔が一瞬でも浮かんだら幸せです。

誘惑の多い二十歳。持ち前のオーラで自分にとってのネガティブはすべてはねのけ、最高の1年にしてね。

峯岸みなみ

(2020年11月8日 AKB48劇場 倉野尾成美バースデーイベント)