20歳の令子へ

誕生日おめでとう。

前田家の末っ子が20歳を迎える日が来るなんて、お父さんは感無量です。

そう、今年はお父さんが手紙を書いています。何か問題でも?

※前田令子「ないです」

冗談はさておき、まずはお父さんの今までの思いを書いてみます。

あれはいつ頃だったかな? あなたがアイドルになりたいと言っていた時、その頃のお父さんはアイドルについてあまりにも無知で何もわかっていませんでした。(今もそうかもしれませんが)

だから何をどうアドバイスしていいものやら大変戸惑った記憶があります。

ただアイドルというものはそう簡単になれるものでもないだろうから、そのうち諦めるのではないかと思っていた時期もありました。

でもその頃のあなたの努力と頑張りは我が娘ながら大したものだと感心し、ハラハラドキドキもしながら見ていました。

そして運命のドラフト当日。自宅でお兄ちゃんと2人、一生懸命投票をして見守っていました。

あの時、前田令子の名前が読み上げられた瞬間の安堵感は今でも忘れられません。

ちなみにその時お父さんは体調が悪く、翌日病院でインフルエンザと診断されましたとさ。誰にもうつさなくてよかった。

それからの2年はあっという間に過ぎ去り、いつの間にやら少し遠い存在になったような気もします。

でもいつまでも心配の種は尽きません。スタッフさんや先輩方をはじめ皆さんにご迷惑をおかけしていないだろうか。ファンの皆様にちゃんと愛されるアイドルであり続けていけるだろうか。そして何よりも無理をして体を壊さないだろうか。

そんな時、思い出すのは20年前の明け方近く、病院からの電話で無事に新しい命の誕生を知った時。その日の朝食のテーブルで発表するとお姉ちゃんは「万歳!」と叫び、弟が欲しかったお兄ちゃんはちょっとがっかり。

でも幼稚園に行く時にはご近所さんたちに自慢げに話していたあの声。このシーンはお父さんの大切な3つ目の宝物です。

最もこの話は誕生日の度にしているので、耳にタコができたかな?

誕生日に産まれた時の話をするのは前田家の大事なお約束行事。お父さんはこれからも何度でも話すよ。

そう、あんなに皆から祝福されて生まれてきたのだからきっと大丈夫。お父さんは信じています。

そしてそんな中、TIFの出場メンバーに選ばれたとの朗報が飛び込んできました。良かった。やはり信じていた通り。

ところでTIFってなんや? まぁいい。本人があんなに喜んでいるのだから。

それからもう1つ。小さい頃よく歌をうたってくれたね。お父さんは猫の恩返しの主題歌「風になる」が好きだったな。

あの頃のようにまたいつか歌ってくれ! マイヒロイン!

最後になりましたが、生誕祭実行委員会の皆様、スタッフの皆様、そして先輩方やメンバーの皆様、このような大変な時期に本当にありがとうございました。

そしてずっと応援してくださっているファンの皆様、まだまだ発展途上な娘ですが今後とも前田令子をどうかよろしくお願いします。

本日は本当にありがとうございました。

父より

(2020年9月28日 NMB48劇場 前田令子 生誕祭)