なるちゃんへ

2度目のお手紙になります。

先日マネージャーさんから手紙のお話を聞いた時は「えっ? 2回目?」ってちょっとムッとして、手紙を書いてほしいのはむしろこっちのほうなんだけどなーとまで思いました。

今までなるちゃんには色んな思いをその都度伝えてきました。

あらたまって言葉にするなんで1ミリもないと思ったけど、2014年の生誕祭でなるちゃんに書いたお手紙、今でも大切に持ち歩いてくれて、ことある毎に読み返してくれて、挙句の果てには現在はボロボロになってしまったということなので、これで更新してほしいと思います。

6年半か。初めて会った日のことすら思い出せないぐらい昔だけど、なるちゃんはいつも私の背中のすぐ後ろを歩いてきてくれました。

前の手紙にも書いたかな? 昔のなるちゃんは思ったことや感じたことを素直に言葉にできなくて、いつも誰かの陰に隠れていた。懐かしいね。

そんななるちゃんがいつしか自分のあり方を確立して、誰からも愛され、SKE48にとって必要不可欠な存在になっていく姿は本当にたくましく、誇らしかったです。

なのに、まさか私より先に卒業してしまうなんて。勝手ながら私のSKE人生の最後を見送ってくれるメンバーの1人だと思ってました。本当に勝手だよね。

でも、みんなも口を揃えて言います。「なるちゃんだけは卒業しないと思ってた」

言葉にすると本当に無責任。なるちゃんへの絶大なる信頼と、この期待の数々がこの6年間なるちゃんの心を苦しめていたことに気づいていながらも助けてあげられない自分がいました。

みんなが喜んで笑っていてくれたらそれでいいんですと、涙を流すなるちゃんを見た時はもうたまりませんでした。ごめんね。つらかったね。

なるちゃんの優しさにみんなが甘えてきました。今日の今日までずっと。

どんな時でも誰かの期待に応えようと自分のキャパ以上の力を出してしまうなるちゃんはいつもみんなのヒーローで、困った時にはみんなが真っ先になるちゃんを求めます。そんな人って世界中のどこを探してもなるちゃんしかいないはず。

この公演が終われば4月からなるちゃんの姿はここにはありません。私の着替えは誰がしてくれるの?(客笑) 私のお茶は誰がくんでくれるの? 私のことおんぶして楽屋に連れて行ってくれるのは誰?

たくさんたくさん甘やかせてくれて、どんな時も私の味方でいてくれたなるちゃん。誰もが一度は通る道と言われている私をずっとずっと通り過ぎないでいてくれてありがとう。

私はずっと後輩には一度だって弱音やカッコ悪い部分なんて見せたくありませんでした。昔から私を見てくれてきたなるちゃんなら一番わかってること。

同期や親しいメンバーの卒業が相次ぎ、空っぽだった私の心を埋めてくれて、私の熱い思いもワガママも全部受け止めてくれる貴重な存在でした。今や私の右腕と呼べるほどの信頼をおいています。

いつか私がここを去る日にSKE48としてのなるちゃんの姿があったならば、私は迷わずキャプテンに選んでいたはずです。そんな未来がくることを密かに楽しみにしていたんだけどなと。

この先どんなにたくさんの後輩ができても、「あのね、昔いたね、市野成美っていう子がいてね」と2割増ぐらいで武勇伝を語っておくから安心してください。(客笑)

なるちゃんのいる毎日が本当に本当に楽しくて、SKE人生の生きがいの1つでした。

どう? ここまできても卒業撤回する気にはならない? 今ならまだ間に合うよ。(客笑)

と、冗談はさて置き、SKE48の市野成美を卒業すると同時にみんなのなるちゃんからも卒業して、1人の女性としての幸せを見つけてください。

大好きな場所を離れて夢を追いかけるという決断をみんなで全力で応援することが今までなるちゃんからもらった幸せの恩返しです。

6年間お疲れ様でした。今まで本当にありがとう。

ただ、これからもお世話になるつもりです。老後の介護までよろしく頼むよ。(客笑)

なるちゃんの輝く未来に幸あれ。

追伸

実はイメチェンとかなんとか言ったけど、なるちゃんの喜ぶ顔が1つでも多く見たくて前髪を切りました。

真木子さんより

(2018年3月27日 SKE48劇場 チームE「SKEフェスティバル」公演 ※市野成美劇場最終公演)