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パパからのお手紙全文 (荻野由佳 22歳の生誕祭)

由佳へ

お誕生日からは少し時間が経ちましたが、まずは22歳のお誕生日おめでとう。

由佳がNGT48に加入して早いもので6年が経ちました。

高校2年生、16歳の時、親元を離れ、1人新潟へ。

ドラフト会議後、何の躊躇もなく新潟へ行くことを決めました。

今でも衣装ケースに洋服を詰め、最低限必要なものを車で運び、引っ越しをした日のことを覚えています。

テレビも何もない部屋の中で衣装ケースの上でご飯を食べていた由佳を残し、新潟から埼玉へ戻る車中、ママと「由佳は本当に大丈夫かね?」と話していたことがまるで昨日のことのように思い出されます。

その日からパパは1つだけずっと実行していることがあります。

「由佳からの電話、必ずどんな時も出る」

由佳に何かあれば必ずパパに電話してくるはず。それは娘を守るための大切なホットライン。

その時に電話に出なければ由佳は困る。1年365日、仕事の時も、寝ている時も、常に携帯電話を肌身離さず持ち続けています。

加入してしばらく経ったある日、そのホットラインに深夜3時の電話。「パパお腹が痛い。どうしたらいい?」と泣きながらの電話。

すぐに駆けつけたくても車で5時間。新幹線も動いていなく、どうすることもできず、加入当初からずっと様々な面でサポートをしていただいていた新潟のお母さん的なスタッフさんへ連絡。夜中にもかかわらず車で由佳の元へ駆けつけ急ぎ救急病院へ連れて行ってくださいました。理由のわからない腹痛。ストレスなのか?とも。

その後も何度か同じようなことがあり、その都度病院へ。

パパは始発で大宮駅に行き、そこで待機。いつでも新潟に行けるように。

その都度そのスタッフさんから「お父さん、大丈夫ですよ。今はだいぶ落ち着き、痛みも治っているので」と言われ、帰宅。

そんなことも今では笑い話になりました。

由佳がNGT48に加入後、幕張や横浜での握手会の時にはよく会場に見に行きました。レーンに並んでくださる方が少なく、同じファンの方が何回も並んで列を途切れないようにしていただいている光景を目の当たりにしました。本当にありがたいと涙が出ました。

そして由佳もいつからかレーンに装飾を始め、また壁新聞のようなものを作り、それを自分のレーンに掲出するようになりました。

いつも握手会の前日は深夜遅くまでその作業をしていました。

でもいつも由佳の顔には笑顔が。そして握手会でファンの方にお配りしていた写真やギフト。それも何日も前から準備して、サインやメッセージを1枚ずつ。「この子は一体いつ寝るんだろう」と心配するほどでした。

でもその横顔はいつもニコニコ笑顔。「なぜ?」って聞くと「応援してくださるファンの方が喜んでくださるから」と何のためらいもなく言っていました。

そんな由佳に「少し手を抜くことも覚えなさい。自分の体のことも考えなさい。少しは寝なさい」と何度も余計なアドバイスをしたことを今では恥ずかしく思っています。

そして忘れもしない2017年5月31日、AKB48 49枚目シングル選抜総選挙の速報結果の日。たまたまその公演に当たり、劇場にいました。

発表が進んでいき、30位を過ぎたあたりから「今年もダメか。今日は終わったらお寿司でも食べに行って、励まそう」と。

そして上位に進み、第1位の発表の時、「NGT48荻野由佳」その瞬間自分が劇場にいることを忘れ、「やったー!」と大声を出し、立ち上がってしまいました。

由佳がファンの皆さんからいただいた最高のご褒美。「努力は報われるんだ」と思った瞬間でした。

そこから本当に夢のような出来事の連続でした。憧れていたAKB48シングルの選抜やホリプロへの移籍、NGT表題曲のセンターなどなど本当に順風満帆なアイドル生活でした。

活躍をさせていただく場が増え、睡眠時間が減り、体調を崩すこともしばしば。薬を持ってホテルへ向かったり、着替えや食事を持ってホテルへ向かったりと今思えばとても凄いことでした。

しかしそんな由佳の前に現れた大きな壁。パパから見て生きることすらつらく感じるようなことの連続でした。

朝、由佳から「パパ、ママ。由佳はもうダメ」と電話が。

慌てて由佳の元へママと向かうと、そこにはお湯を入れても食べることができず放置されたカップラーメンがテーブルの上にたくさん置いてありました。「どうした?」と聞くと「何か食べなければと思ってお湯を入れたけど食べれなくて」と、いつも明るく元気な由佳が憔悴しきった様子でいました。そんな由佳を初めて見ました。

親として何もすることができない、守ってあげること、助けてあげることができない自分を責めました。

一方でそんな由佳を励まし、気持ちを前に向けてくださったのも応援してくださるファンの皆さんでした。モバメの返信であったり、SNSの投稿であったりと色々な形で由佳にメッセージを発信し続けてくださっていました。本当にありがとうございました。

由佳からファンの皆さんからのコメントなどがスクショで送られてきました。笑いあり、涙あり、激励のコメントやイラスト、写真、動画もあり、その1つ1つが本当に温かいものでした。この子にはこれだけたくさんの味方がいるんだと思った瞬間。由佳はまた立ち上がり、目標を持って前に進み始めました。

そして自分の将来を見据えて、人生で最大の決断をしました。様々な葛藤の中、卒業を決め、家族に報告がありました。

パパもママも兄も弟も、そしてこしゃも由佳が決めたことを全力で応援します。卒業の時までしっかりとアイドルを全うしてください。

6年間の活動を支えてくださったファンの皆さん、本当にありがとうございます。娘をアイドルにしてくださり、本当にありがとうございました。

またNGT48という活動の場をつくり、それを守ってくださったスタッフの皆さん、ありがとうございました。

日頃からたくさんのサポートをしてくださり、家族のように温かい雰囲気で支えてくださっている事務所の皆さん、ありがとうございました。

そして茉莉奈ちゃん、いつでもどんな時でも由佳に寄り添い、支えてくれてありがとう。茉莉奈ちゃんがいてくれたおかげで安心していました。茉莉奈ちゃんのお父さんとお母さんにも本当にお世話になりました。

由佳、あなたにはたくさんの応援してくださる方がいるということを絶対に忘れないでください。この先の人生の中でまた壁にぶつかっても、その都度自分を支えてくださるたくさんの方の顔や声を思い出してください。そして由佳のキャッチフレーズ「何があってもへこたれない」この言葉を絶対に忘れないでください。努力は報われるということを信じ、これからもそれを証明し続けてください。

2021年、NGT48最後の生誕祭に向けて。

2021年8月15日、荻野P@由佳が生まれた時から永遠に由佳の人より

(2021年8月15日 NGT48劇場 「あぶこな」公演&「西荻」公演)

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