9年間本当に本当にありがとうございました。

私はテレビで見たAKBが大好きになって、中学生の頃、学校から帰ってくると毎日テレビを独占してAKBの出てた歌番組の録画を見ながら汗だくで踊っていました。

いつしか皆を笑顔にするアイドルに憧れるようになり、それまでの私は「これをやってみたい」というのがなくて、いつもふわふわしていましたが、初めて自分のやりたいことを見つけました。

何度もオーディションを受けて、いざ入ってみると、チーム8というチームは私の思っていたAKBとは少し違いました。先輩たちと関わる機会がほとんどなくて、チーム8としての活動がほとんどでした。当時は「なんかちょっと違うな」って思ってました。

でも全国ツアーを8だけでやらせてもらえたことや、地方でのイベントがどれだけ恵まれていたことかこの9年間で気づくことができました。

初めて自分のうちわを見つけた時。初めて握手会でファンの人が来てくれた時。初めてファンレターをもらった時。自分にファンができたこと。本当に夢のようでした。

でも初期の頃は親と離れる機会もそれまでの私はほとんどなかったので、何十日も家に帰れずに知り合ったばかりの子たちとの生活が続いてホームシックになり、毎日のように家族と電話しながら泣いていました。「もうやめたい」って何回も相談した記憶もあります。気づけば家族より多くの時間をメンバーと過ごしてきました。

つらかった合宿も、クタクタになるまで頭に入りきらないくらい大量にあったレッスンも、1日4公演やったコンサートも、全部皆と一緒だったから乗り越えてこれました。

間違いなく私の青春はAKBです。

家族、友達、そしてメンバーという大切な存在ができました。

どんな時も近くにいてくれて、一緒に成長して、一緒に笑って泣いて感動してくれて、ありがとう。

そして家族にもたくさん支えられました。

3人きょうだいの末っ子で、家ではわがままもたくさん聞いてもらってました。

パパは私の出る番組を欠かさず見てくれてるね。生誕祭では「もうすぐ卒業するから家族旅行にハワイに連れてって」って言ったけど、今までたくさん色んなところに連れてってくれたパパ。今度は私がパパを旅行に連れて行きます。一緒に飲み歩きしたり、ゴルフもまた行こうね。

ママは北海道から沖縄、本当に全てのイベントを見に来てくれました。タイにまで来ようか迷ってた時はさすがにビックリしました。

学校と仕事の両立がつらくて、一度だけママに怒りを爆発させてしまったことがありました。その時も優しく受け止めてくれてありがとう。

私がお天気お姉さんで朝が早い時も、私よりも早く起きて朝ご飯を作ってくれて、待っててくれて、ありがとう。

そして家族と同じくらい応援してくれた親戚の皆もありがとうございます。これからも見守っててね。

約10年もAKBにいたから、周りにはいつもメンバーやファンの皆が必ずいてくれたからどんなことも乗り越えてこられました。本当にそう思っています。

私のことを見つけてくれて、応援してくれて、ありがとう。

これからはそうじゃなくて、1人で頑張らなきゃいけないこともたくさんあると思います。そんな時は皆のことを思い出すね。何もなかった私に素敵な夢を叶えさせてくれてありがとう。

吉川七瀬

(2023年8月24日 AKB48劇場 湯浅順司「その雫は、未来へと 繋がる虹になる。」公演)