私は最初HKTの1期生として活動してました。
特にアイドルに興味があったわけでもない私がオーディションに受かり、そんなに続かないだろうと思って入りました。
でも思った以上にアイドルは大変で、歌が上手ければ上に行けるわけでもなく、ダンスの練習をしたら選抜に入れるわけでもなく、とても難しい世界でした。
そんな中で私の心を変えたのがファンの皆さんです。
私のうちわを最初見つけた時、ほんとに嬉しくて、「私でもファンがいるんだ! この人たちのために頑張りたい」そう思って活動をするようになりました。
HKTでは選抜に選んでもらったりして色んな景色を見させてもらいました。
選抜に落ちるというつらさも教えてもらいました。
そんな中、いきなりAKBに移籍になり、東京に来ました。
嬉しさと寂しさ、不安、たくさんの感情に押しつぶされそうになった時、支えてくれたのが家族でした。
反対するどころか全力で私の背中を押してくれたね。
10代の私が東京で1人暮らしをするなんて多分凄い心配だったのに、テレビに出たら誰よりも喜んでくれて、仕事で忙しいのに福岡からわざわざ来てくれて手料理たくさん作ってくれて、ありがとう。
東京に来てから一緒にいる時間作れなくてごめんね。
たまにポロっと「寂しい」って言ってた言葉もちゃんと聞いてたよ。
だからこそ「私はAKBで頑張らなきゃいけない」、そう思ってどんなことにも全力で挑戦してきました。
プロレスにM-1、R-1、PRODUCE48、他にもたっくさん挑戦しました。でもなかなかうまくいかず、家族やファンの皆さんから優しい言葉をかけてもらう分、つらくて、アイドルじゃない方が良かったんじゃないかなとも思ったこともあります。
そんな中で唯一バラエティをしてる自分が生き生きしてることに気づきました。
そのとき初めて自分の居場所を見つけられた気がして、バラエティ番組に少人数で選ばれたり、スタッフさんから「智代梨がいると安心してできるよ」って言われた時、必要とされてる気がして凄く嬉しかったのを覚えています。
周りにいるメンバーが私を見て笑顔になったり、スタッフさん、メイクさん、衣装さんも笑ってくれたり、そのとき凄い幸せだなって感じました。
アイドルは私は色んな形があると思っています。もちろん可愛くて、ザ・王道アイドルも素敵だけど、バラエティでどんなことにも挑戦しちゃうアイドルも最高に素敵だと思います。AKBはそんな色んなアイドルがいるグループでいて欲しいです。
選抜じゃなくても「こんなアイドルになりたい」って、少しでも誰かが思ってくれるきっかけに私もなれるよう頑張ります。
12年間私のことを見つけてくれて、応援してくれて、たくさんの愛をくれて、ありがとう。
いま心から言えることは、アイドルになれて、AKBの皆と過ごせて幸せでした。
そう気づけたのも皆のおかげです。本当にありがとうございました。
(2023年8月28日 AKB48劇場 チームA「重力シンパシー」公演)