麻莉奈へ

お誕生日おめでとう。

月日が経つのも早いもので、あなたが生まれてもう23年も経つんですね。

小さい頃のあなたは大人しく、人見知りで、小児喘息もあり、よく病院へ連れて行っていました。

長崎の五島市に住んでいた時、福江まつりのねぶたのパレードに出るのを楽しみにしていましたが、喘息の発作が出て入院になり、病院の窓からパレードを見ていた時のことを思い出します。

参加したかったみたいで、じっと窓から見ていました。

その後も時折喘息が出ていたので、大人になっても治らないのでは、と本当に心配でした。

そんなあなたがHKTのオーディションを受けることになり、2期生のメンバーに選ばれた時はほんとに嬉しくて、誇らしくもありました。

好きなことができるのが良かったのか、喘息も出なくなり、HKTのメンバーとして選抜を目指し、日々頑張っていましたね。

でも、現実は思っていた以上に厳しい世界だということが次第にわかってきて、何度も壁にぶつかったと思います。

それでも自分なりの努力をしていたことも、ほんとに悔しい思いをして涙を流していたこともわかっていました。

でも、そんなあなたをそばで見ていて、厳しいことしか言えず、優しい言葉をかけられなかったお母さんがいました。本当にごめんなさい。

人一倍努力してほしかったし、苦しい思いの先に何があるのかを自分自身で感じてほしかったからです。

ちょっと言い過ぎた時もあったね。ごめんね。

そんな厳しい世界だけど、本当に人見知りがひどく、お喋りもできなかったあなたが人前でお喋りだけではなく、歌ったり踊ったりしている姿を見ていると本当にメンバーになれて良かったなと思いました。

武道館でのコンサートやNHKの紅白歌合戦にも参加させてもらいましたね。

テレビの正面に座り、あなたを探し見つけると本当に嬉しかったです。

お父さんやおばあちゃん、妹たち、みんなが本当にあなたの活躍している姿を見ると嬉しかっただろうと思います。

HKTのメンバーだからこそ色んな体験をさせてもらえたなどと思います。

ファンの皆様が一生懸命応援してくれたことや、尾崎さんをはじめとするスタッフの皆様やメンバーの皆様との出会い、そして皆様に支えてもらいながら色んなことを学ばせていただいたからこそ今の自分があるということ、絶対に忘れないでください。

18歳の生誕祭で『感謝』という言葉を書いたことがありましたね。これから先も色んなことがあると思いますが、感謝の気持ちを忘れず、努力を惜しまず、夢に向かって頑張ってほしいと思います。

お母さんは何もしてあげられないかもしれないけど、これからも見守り続け、支えていくし、お父さんやおばあちゃんたちもあなたのことを応援してくれてると思いますので、自分の決めた道を信じて進んでいってください。

HKTのメンバーとしては残りあとわずかとなりましたが、悔いのないよう一生懸命最後まで頑張ってくださいね。

2018年3月24日 母より

(2018年3月24日 西鉄ホール チームH「シアターの女神」公演)