美優、20歳のお誕生日おめでとう。

20年前を思うと感慨深いものです。

生後2ヶ月の時、あなたは髄膜炎にかかり、緊急入院しました。

お医者様から「新生児には強い薬が使えないので、この子の生命力にかけるしかないです」と言われて、高熱で泣くことも出来ないあなたを3日間ずっと抱き続けながら、「頑張って! 頑張って! お願い、頑張って!」と何回、いや何百回と言い続けたことでしょうか。

4日目の朝に熱が下がり、先生から「とりあえず峠を越えました。あと少しで手遅れだったかもしれないのに、娘さん、本当に頑張りました」と言われた時、安堵で涙が止まらなかったことをいつだって忘れることが出来ません。あの時、頑張ってくれて本当にありがとう。

もう1回もらった命だと思って、この子には好きなことを自由にさせてあげようとお父さんと話しました。

子供の頃は活発で、友達と外で遊ぶこと、お笑いを見ることが大好きでしたね。

そんな楽しい日々を過ごしていたのに、小学校5年生の引っ越しによって転校させてしまい、ごめんなさい。

美優は「全然大丈夫」と明るく言ってくれましたが、ほんとは色んな葛藤があったと思います。

それから放課後には一緒にカラオケに行くことが多くなって、歌うことやアイドルが好きになり、「AKB48のオーディションを受けたい」と言った時、「まだ早いし、年齢が上がってから受ければいいんじゃないの?」と言うと「今じゃなきゃダメ。今じゃなきゃ受からないの」と私たちに初めてワガママを言いました。

その言葉通り、オーディションに合格することが出来て、AKB48に入ってからは偉大な先輩方に優しくしていただきながら、毎日あっという間でしたね。

でも、楽しいことばかりではなく、何年か前に1度だけ「辞めたい」と泣いた時がありました。

私が「あと3ヶ月だけ。今まで応援してきてくれた方に恩返しをして、完全燃焼してからにしよう」と言うと、頷き、泣きながら仕事に向かいました。

3ヶ月経った頃、「応援してくれる人がいる限り辞めない」と言い、大事なことに気がついてくれて安心しました。

あなたの周りには尊敬できる方がたくさんいます。素敵なスタッフさん、優しい仲間、そして心強いファンの皆様、その全ての方々にいつも感謝の気持ちを忘れずに、これからも自分の思いのまま歩んでいってください。

いつまでも、どんな時も、家族みんな美優を応援しています。

本日は素敵な生誕祭を開いていただき、ありがとうございました。

母より

(2018年9月14日 AKB48劇場 チーム4「手をつなぎながら」公演)