江籠さんへ
21歳のお誕生日おめでとう。
本来なら私は1年前に卒業していて、この場にいなかったはずの人間で、江籠さんにこうやって手紙を書いているのは不思議なんだけど、こうやってお手紙で言葉を伝えるのはいつぶりなのかなと調べてみたら2016年の江籠さんの生誕祭の時に書いたのがおそらく最後だと思います。なので5年ぶりのお手紙になるのかな。
普段言葉にして想いを伝えるのが下手くそな私なので、これを機に伝えられていなかったこと色々正直に話しますね。
まず最近本当によく頑張ってるね。めちゃくちゃ褒めてあげなきゃってずっと思ってました。
目標だったソロコンサート、自信がなかった歌も堂々と1人で歌えるようになっていたり、どんなMCや仕事を任されても「大丈夫」ってぐらい安定感まで出てきちゃって、知らぬ間に成長していた姿を最近度々目の当たりにして素直に凄いなって思っています。
そんな江籠さんを見て嬉しいって気持ちと、ちょっと寂しいって気持ちがあります。
一時は私がいなくなってしまったらこの子はどうなってしまうんだろうと本気で心配していた時期がありました。
2年前ぐらいかな? 色んなことが重なって潰れてしまいそうになっている姿をそばで見ていて、こんなにボロボロの心でこれ以上SKEを頑張らせることが正解なのだろうかと私もとても悩むことがありました。
私が卒業を決める前に「私、卒業を決めました」って言ってきたこともあったね。だけど「もう一度頑張る」って決めてからは少しずつアイドルを続けていく上での覚悟みたいなものを感じるようになりました。
それから少しずつ私だけに頼るんじゃなくて、色んなメンバーに話を聞いてもらったり、仲間や味方がたくさんいるってことにちゃんと気づいてからまたSKEでの活動を楽しんでいる姿を見るようになってほっとしていました。
そんな子離れみたいな感覚に、自分は親みたいなものになっているような気持ちになっていたんです。
だけど私の卒業コンサートが延期になって、私がSKE48から卒業できていないのに本来なら卒業していたからと参加できない仕事も多かったりしてSKE48での活動はほぼゼロ。皆に会うこともほとんどなくて、自分はこのままSKEのメンバーとしていていいのだろうかとか、本当に卒業コンサートはできるのだろうかとか1人で悩む時期がありました。
そんな時にずっと欠かさず連絡をくれたのが江籠さんでした。夜になると「声が聞きたくて」とか「寝れなくて」とか電話してきてくれて、本当はとっても嬉しかったよ。
私は変なところで恥ずかしくて素直になれなかったりして自分から電話をかけることはほとんどなかったけど、いつも私の言う「寂しかったり寝れなかったりしたらいつでも連絡してね、電話もいつでもかけていいよ」って言葉は本当はしてくれたら嬉しいし、私と話したいって思ってくれてることが嬉しいから言っていました。本当に不器用でごめんなさい。
コンサートのリハが始まって、私がSKE48に戻ってくる時、いつも決まって「明日やっと会える、楽しみ」とか直球ストレートな言葉をいつもくれるから私はいつも安心してSKEに帰ってくることができました。自分がSKEで活動できない間も「まだここにいていいんだ」って思わせてくれたのは江籠さんの存在がとても大きかったです。本当にありがとう。
これが私が卒業する前にちゃんと伝えておきたかったことです。ありがとうでいっぱいです。
私に心配かけないようにって頑張る姿を見てきたけど、きっと私も心配されないようにずっと強がっていたんだと思います。
我ながらなかなか素直になれず、自分でも嫌になるこんな私だけど、これから先もずっと一緒にいてくれたら嬉しいです。
まだまだ伝え足りないこともありますが、これ以上は私のライフが持たないのでこの辺にしておきます。
それでは最後に。
江籠裕奈はファンが応援してて幸せになれるアイドルだと思う。そして色んな子が目指したくなるようなそんなアイドルだと思う。胸を張って自分のアイドルを貫いてください。
そして何よりアイドルを、SKE48を楽しんでください。
いつかやりきった時には前、私にくれた手紙に書いてくれてた約束ちゃんと果たしに来るからね。それまで精一杯アイドルしてね。ずっと見守っています。
何かあったら連絡してください。どこにいても飛んで行きます。
これからも一番の味方だよ。
高柳明音より
(2021年4月16日 SKE48劇場 チームKII「最終ベルが鳴る」公演)