愛菜へ
ついにこの日がやってきたんだね。
ステージに立つドレス姿の愛菜がキラキラ輝いているのが目に浮かぶのと同時に、今でも愛菜の卒業を信じられない自分がいます。
私たちの出会いは中学1年生の秋に行われたバイトAKBのオーディションだったね。
最初はただ同い年ってだけで、活動していく中で特別仲良しなわけでもなく、多分お互い気を遣いまくってたよね。
それからドラフト会議を経て、同じ境遇を辿ってきた私たちがNGT48のオーディションに合格できたことはきっと運命だと思うんだ。自分のことよりも愛菜と一緒に合格できたことが凄く嬉しかったのを覚えています。
加入してからは研究生のスタートとなり、悔しい思いもたくさんしたね。
その頃からの私たちの共通する悩みがあって、ここでは何とは言わないけど、その悩みが今でもずっと変わっていないのも私たちらしいなって思ったりしてます。
お互い性格も趣味も味覚も正反対な私たちだったけど、これといった喧嘩をしたことは一度もなかったよね。
お互いが相手の性格をよくわかっているから喧嘩になりそうな時はどちらかが空気を読んで少し距離を置いたりして、うまくやってきたような気がします。
出会ってからのこの7年半で本当に色んな経験をして、どんどん大人になっていって、本音で向き合って話すことも増えていったよね。その中でお互い卒業のことを悩んで話し始めたのはまだ高校生の頃だったかな。
それから時間が空いて、1年前くらいに愛菜が卒業の決断を電話で話してくれたよね。
正直今日までの間、何回か本気で卒業を引き止めようとしたこともあります。でも1人の大切な友達として愛菜の決断に誰よりも背中を押してあげたかったから我慢しました。
私に相談してくれて、一緒に悩んでくれて、ありがとう。
長かった研究生時代を経て、昇格発表があってからは正直思い描いていた正規メンバーとは少し違って、NGTとしての自分たちのあり方がわからなくなった時期もあったよね。
そんな時期も乗り越えて、2020年からユニット公演の1つとして「にゃーにゃー公演」ができたこと、本当に嬉しかったね。
愛菜がいる安心感で甘えていた部分もあったかもしれないけど、2人でステージを作り、パフォーマンスをしていた時間は一生の宝物です。
あんまり言ってこなかったけど、愛菜のパフォーマンスも、アイドルとしてのあり方も全部が大好きで、尊敬してました。
特に愛菜のMC力。あんなにMCが苦手と言っていた愛菜がここ最近色んな場面で司会進行をしている姿を見て、実は自分のことのように凄く嬉しかったんだ。
MCでいじられることにガチで悩んでいた時期のことは言われなくても見ててわかったし、そこを吹っ切ってから愛菜が生き生きしてるのもずっと近くにいた私には感じていました。
本当に聞き上手な愛菜は前世、聖徳太子と噂されるほどメンバーの皆にとっても頼りになる存在です。
話を聞くだけじゃなくて、素直に感謝したり、人のことをたくさん褒めたり、人の気持ちに寄り添うことができるところも愛菜の魅力の1つで、皆に愛される理由だなって思います。
去年、「ポンコツな君が好きだ」の選抜発表があった時、私の選抜入りを泣いて喜んでくれたことがあったよね。その時は自分のことのように喜んでくれる愛菜の優しさに凄く助けられました。
愛菜に自分の悩みや本音を話すと、不思議とそれだけですっきりして、立ち直れることがたくさんありました。愛菜のそういう何気ない優しさに助けられていたメンバーはきっとここにもたくさんいると思います。
人には優しく素直だけど、自分には厳しい愛菜は自分の感情を飲み込んで我慢して、私の知らないところでつらい思いをしてたこともきっとたくさんあったよね。
これから先に進む新しい道で少しでもつらいことや悩むようなことがあったらいつでも頼ってきてね。
愛菜には自分でも気づいてない魅力がたくさんあるから自信を持って、これからも新しい道に向かって頑張ってね。
私は誰よりも愛菜のことを応援してるし、一番の味方です。
いつも言葉足らずで素直じゃない私をこんなにも大切にしてくれてありがとう。
長くなってしまったけど、私のアイドルとしての過ごした思い出のほとんどには愛菜がいました。
これからも一緒に思い出作っていこうね。
大好きだよ。
麗菜より
(2022年4月29日、NGT48劇場、日下部愛菜 卒業公演)