みおりんへ

先月私の生誕祭でお手紙を書いてくれてありがとう。

私の誕生日のちょうど1ヶ月後である2月12日に今度は私がお手紙を書かせてもらいます。

私が一番鮮明に覚えてるのは、お互い小学生だった時のレッスンの帰り道、私よりも身長が小さくて、話かけても相槌を打つくらいしかしてくれないほどの人見知りの無口。お人形かと思いました。

そして、母同士の会話でみおりんが2つ上の小学5年生だということに気が付いて、めちゃめちゃビックリしたことを鮮明に覚えています。

レッスンにはたくさん同世代の子がいたのに、なぜか自分と似ている大人しいみおりんと仲良くなりたくて、母にも「市川美織ちゃんと仲良くなりたいな」と言っていた記憶があります。

今思うと勝手ながら、この頃から何か直感的に近いものを感じていたのかもしれないな。でも、お互い恥ずかしがり屋だったから、なかなか距離も縮まることなく、時が経ちました。

気づいたら、もう違う環境にいて、小学生だったから連絡先も交換していなかったから、会うことはもう無いのかな、なんて時々思ったりもしていました。

数年後、私はAKBに加入しました。しばらくすると後輩ができ、なんと私と知り合いだと言っている子が後輩にいるという話がまわってきました。その子が市川美織ちゃんだと知り、私は当時の美織ちゃんを思い出してイメージを膨らませました。

物凄い人見知りで大人しい子。そんなことを思いながらみおりんに会いに行きました。するとそこにはなんと、昔の姿からは想像がつかないほどお喋りな美織ちゃんがいました。

なんだか信じられないまま同じ公演に出ることになり、「フレッシュレモンになりたいの♪」とか言ってるし、出会った頃はお互い女優さんを目指していたのに、ここの数年間で何が起こったのだろうかと不思議な気持ちもなったかな。

でも、私はそんな美織に感銘を受けました。驚くほど大人しくて、人見知りで、とてもひ弱そうなあの子が、今はアイドルとして素晴らしい姿で存在していたこと。

人は表舞台にいる時だけ、いつもと違った自分を演じることはそこまで難しくないことだろうと思います。でも、この世界でやっていく為に、市川美織ちゃんは常に演じているのではなく、みおりんとして成長していました。これは相当な覚悟と意識を持ったんだろうなって。

二度と出会わなければ簡単に崩れてしまいそうなあの細い体にも、物凄い底力があるということを知らなかっただろうし、私にとって1人の人の生き方から学ぶことはこんなになかったかもしれないと思うほどの存在です。

でも、底力だったり、根強さがあるからと言って、本当に強いわけではないと思います。きっと隠れた弱さとか、苦しみがみおりんの中に絶対あると思う。そんな時は私でも、周りの人でもどんどん甘えて、頼って、助けてもらってね。

みおりんから滲み出ている愛らしさで愛されてることはもちろんだけど、色々な頑張りや努力で愛されてる部分もたくさんあると思うよ。だから、そんな自分を褒めてあげて、信じて進んで行ってね。

みんなみおりんのことが大好きだよ。

改めて21歳のお誕生日おめでとう。来年私が二十歳になったら一緒にレモンサワー飲もうね。

AKB48チームB 竹内美宥

(2015年2月12日 NMB48劇場 チームBII「逆上がり」公演)