樺乃、18歳のお誕生日おめでとう。

まさか私が樺乃のお手紙を書く日が来るなんて、1年前だったら思ってもみなかったなー。ビックリ。

ファンの方が私の握手会に来てくれて、「樺乃ちゃんがあんなに先輩の名前を出すことは滅多になかったから僕達も嬉しくて、是非お手紙書いてくれませんか?」とお願いしに来ました。

握手会に樺乃のファンが来てくださることも増えて、もちろん嬉しいんですが、来てまず第一声がだいたい「娘がお世話になっています」と言われるので、「あれ?誰かのメンバーの親かな?」と一瞬戸惑う。実際メンバーの親でよく来られる方もいるので。

ちなみに佐藤佳穂のファンの場合「息子が」と言われるので、「あなたの息子誰?」ってなる。

そうやって最初テンパってしまうことも多いですが、挨拶に来てくれるのはとっても嬉しいです。

ということで、前置き長くなってしまいましたが、お手紙書かさせていただきます、高柳明音です。

樺乃と仲良くなったきっかけは書くほどでもない気がしますが、今年一緒に出演した舞台ハムレットがきっかけです。

父ポローニアス役の私と息子レアティーズ役の佳穂、そして娘オフィーリア役の樺乃と3人で家族でした。

最初この役が決まった時は男役だし、何より父親ってどうなるんだろうと戸惑ったけど、それ以上に樺乃も佳穂もちゃんと話したことなかったし、チームも違うから2人とちゃんと家族になれるか不安でした。実はね、身長も圧倒的に父親が小さいし(客笑)

私は仕事の都合でなかなか稽古に参加できず、参加できた頃には2人ともちゃんとセリフが入っていて、役も入り始めてて、私が参加できなかった間にどのくらいの成長があったのか見れなかったのは残念だったけど、舞台経験ゼロの2人がしっかり演技しててけっこうビックリして身が引き締まったし、2人の努力の成長を見守っているうちに娘、息子としてその成長を喜ぶ親になっていた自分がいました。

稽古が進み、歌詞や振りが決まっていき、オフィーリアのソロシーンやハムレットとの2人でのシーンができあがっていくと稽古の雰囲気が変わっていきました。特にオフィーリアのソロ歌唱シーンはメンバーもアンダーさんもスタッフさんも息を飲むように見入っていて、「これが人を惹きつける歌か」と思ったのを覚えています。

ハムレットが終わってすぐに選ばれた「FRUSTRATION」の選抜。自分で掴み取った選抜だね。私は感動して珍しく後輩に「おめでとう」と連絡しました。

LAでもロケで写真を撮ったり、舞台が終わった後もこの関係が続いていてとても嬉しいです。

そして今始まっている第2回AKB48歌唱力No.1決定戦。ファンの方に樺乃が話したかわからないんだけど、出るか出ないか凄く迷ってるって電話で相談してきてくれました。

一度頂点に立った人の気持ちやプレッシャーは当人にしかわからないものだし、それで樺乃の心が壊れてしまうのは一番良くないと思い、私はどちらとも肯定できなかったけど、樺乃の歌が好きだから歌ってくれたら嬉しいなって伝えました。

だから第1回の時、素敵な歌声でたくさんの方を感動させた樺乃がいないっていうのは残念だし、心の中で出てくれたらいいなって思ってた自分がいたので、正直ちょっと寂しかったな。

でも今回私に相談してくれたこと、信頼してくれているんだなって嬉しかったよ。ありがとう。

今回は出場しないことになったけど、別の機会でも歌えるチャンスがあればやっぱり樺乃には挑戦してもらいたいって思う。

私だってアイドル10年半やってきて、たくさん挫折してきたし、つらくてやりたくなくてもやらなきゃいけないこと山ほどあった。結果がうまく出なくて、苦しくて、悔しくて、どん底に落ちることなんて今でも吐くほどある。

でもね、全部後悔してない。それがあるから強くなれるし、弱ってどうしようもない自分でも受け止めてくれるファンの皆がいた。だから1つ先にある勇気を持つことを忘れないで。そして、いざという時、立ち向かって行ける人であってほしい。

でも間違いなく樺乃は他のメンバーとは違う方法で自分だけの道を切りひらいたと思う。自分の力で運を引き寄せて、輝くチャンスをものにした。これから、オフィーリアがとても素敵だったのでミュージカルとか出てる姿も見たいです。マジで。

仲の良い同期の卒業があったり、思うこともあると思うけど、次は樺乃がSKE48の光、希望の人になっていけるといいね。

メンバー全員にそれぞれの光や希望があると私は信じているけど、樺乃にしかない唯一の輝き方をちゃんと持っていること、本当に強みだよ。大切にしてね。

仲良くなるまではもっと強気なゆとり系だと思っていたけど、実は天然で素直でめちゃくちゃいい子。ちなみに佳穂はただクロワッサン変態女だと思ってた(客笑)

私の中でギャップが凄くて、そんなところも愛しいし、ポロ家3人でいる時、本当に楽しくて、いつの間にか癒しの場所になっていました。いつもありがとう。また何かあったらいつでも連絡してね。

あと、ポロ家でご飯も絶対!

じゃ、またね。

樺乃にとって幸せな年になりますように。

高柳明音

(2019年9月17日 SKE48劇場 チームS「重ねた足跡」公演)