紗也加、お誕生日おめでとう。

まさか21歳の誕生日を劇場でお祝いしてもらうなんて驚きと感動でいっぱいだと思います。

幼い頃から女性アイドルが好きで、衣装のコスプレをしたり、中高時代はコンサートに足を運んでたね。

授業参観で泣くほど人前が苦手な紗也加がステージで歌い踊る日が来るなんて思ってもいませんでした。

紗也加は三姉妹の長女で、しっかりしてた反面、私に甘えることができず我慢させてしまったね。

でもいつも頑張り屋で、市の作文コンクールで賞を取ったり、代議員議長、成人式委員、大学のゼミなど大変な役割でも努力で成功させてきました。

中でも横浜市の成人式実行委員は高校時代からやりたいと言ってたね。理由を聞けば「横浜アリーナのステージに立つ機会はこれを逃すと死ぬまで一生ない。ずっと好きだった女性アイドルと同じステージに立ちたいし、同じ楽屋を使えるかも」とさすがアイドルが青春のすべてだっただけあります。

当日は1万人の前でゲストコーナーの司会をやり遂げ、新聞にも写真が載りましたね。

中高時代、寄り道が許されるのは本屋だけというくらい校則が厳しく、当時は「こんなごきげんような学校を受けなきゃよかった」と言ってたけど、今思えばその6年間があったから本当の友達ができたんじゃないかな。

大学受験も自らデータを分析し、作戦を立て、目標に向かって頑張りました。

我が家は3人いるから浪人や留年は金銭的に厳しく、絶対現役で自宅から通える立地、そしてストレートで卒業とずっと言ってきました。

時には味方のはずの同級生や先生から「紗也加ちゃんにはその大学レベル難しいんじゃない? 受からないでしょう」と言われたり、その悔しさを胸に1人泣きながら机に向かってたことは親の私も合格後まで知りませんでした。

努力を周りにアピールせず黙々と継続するタイプ。受験生の1年間はテレビも見ず、通学中歩きながら常に片手には参考書。私服を選び悩む時間ももったいないと言い、ダサくて嫌いだった制服を365日に着てたね。やる時はやる子だと思ったよ。

結局第一志望ではないけど、納得のいく大学に入学。かと思えば自宅から東京まで満員電車の中、片道1時間半もかかる通学。サラリーマンに埋もれながら頑張ったと思います。

また、初バイトが厳しい環境で娘を成長させました。

SKEへの加入が決まり、バイトを辞める際、普段から仲良かった先輩・後輩・同期・社員やパートの方、にんてい(?)の皆さんから温かい言葉をもらったね。

販売コンテストで全国1位。また駅ナカのほうでも個人賞をいただき、続けた甲斐があったと思います。

人に弱みを見せないタイプだから家族が気づかないつらいこともきっとたくさんあったと思う。だからこそ困った時は絶対に何とかして応援してあげたいと思ってたよ。

突然大学3年の秋にSKEのオーディションに応募。本人も通ると思わず、忘れていた頃、二次の案内メールに気づき、それがなんと集合の10時間前でした。

驚くように一次通過を教えてくれたけど、そもそも私はオーディションを受けていたこと、そこで初めて知りました。

ダンス、歌、演技、何1つしたことない紗也加がなぜ受けたのか今も不思議に思っています。

紗也加は「年齢、スキル、ビジュアル、写真からして受かる要素がないから多分最終で落ちるけど、しっかり受け止めて9期生になる子を素直に応援したい。SHOWROOM審査で応援してくれた人のおかげで前向きになれたからそれだけで十分良かった」と言っていました。

私も正直受からないと思い、二次、最終と送り出していたので、合格と聞いた時は信じられなかったです。

SKEに入るにあたり、紗也加とたくさん話し合いました。審査の途中、仲良くなった子が全員落ちてしまい、元々芸能志望じゃない私が受かってしまい申し訳ないと苦しんでいたね。

でも「その子たちの気持ちを踏みにじることはできないし、私はこの機会を無駄にできない。何も取り柄ないけど応援してくれた方へ恩返しがしたい」と語ってました。

まだ大学の単位が残る中、名古屋から東京へ通学の大変さ、運動音痴でダンス経験がない中、想像以上の苦労が待っていることは確かだけど、紗也加の表情から覚悟を感じて送り出したよ。

12月半ばからスタートし、夜行バスでの往復、未体験のダンスレッスン。12月から2月は試験期間と丸かぶり。長いホテル生活と慣れない日々だったからか体調を崩してしまい横浜に帰ってきたね。小さな紗也加の体がさらに小さく見えてとても心配しました。

どうなるかと思いましたが、体調が良くなると「ママ、明日からまた名古屋に行くよ。就活はしない。私はSKEが就活だから」と笑顔で話してくれました。

それっきり実家には帰って来れてないけど、いつでも待ってるよ。

ありがたいことに9期生の皆さんと仲良くしていただき、先輩の方々、スタッフの皆さんにも良くしていただいて、離れている私はとても感謝しています。

いま紗也加が栄にいるのも小さな頃よく来た名古屋にご縁があり、偶然ではなく必然に感じます。

皆さんに愛していただけるよう真面目に謙虚の気持ちを忘れずに頑張ってください。

オーディション前の10月に紗也加と2人で海外旅行に行ったね。その時に「また3月には来ようね」と話していたけど、ママは紗也加の夢が叶うまで紗也加との旅行を待っています。

体には気をつけて。横浜からずっと応援しています。

メンバーの皆さん、スタッフさん、公演を見てくださっている方々、本日は本当にありがとうございました。まだまだ未熟でたくさん迷惑、面倒をかけることもあると思いますが、末永く温かい目で見守っていただきたいです。

紗也加の母より

(2019年3月20日 SKE48劇場 「青春ガールズ」公演)