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松本慈子が北川綾巴に送ったお手紙全文 (北川綾巴 卒業公演)

綾巴さんへ

私が一緒に過ごしてきた北川綾巴という人は優しさの塊でできています。

いつか綾巴さんが言っていた言葉。「今まで自分が活動をしてきてつらいことがあった時、他のメンバーにこんなつらい思いはしてほしくない」って言っていました。

その言葉の通り、例えば初選抜で緊張しているメンバーを見かけた時には真っ先に声をかけて、その子に寄り添ってあげていました。

それは私がチームSに昇格した時も。チームに同期がいなくて、ひとりぼっちやった時、緊張をほぐしてくれようと綾巴さんも人見知りなのにたくさん声をかけてくれましたね。

初めは「何でこんなにいっぱい声をかけてくれるねんやろう」と思ってたけど、今思えばちかのためやったんやって、鈍感なちかは今更気づきました。

困っている人がいたら自分を犠牲にしてまで手を差し伸べて、綾巴さんは優しすぎるにも程があるってくらい優しすぎです。

でも優しいだけじゃなくてたくさん叱られたこともあります。少しでも弱音を吐いていたら、いっぱい叱られた。喧嘩もしたなーって思ったけど、いつもちかが勝手に怒ってただけだったね。その節はご迷惑をおかけしました。

何で仲良くなったのとか、いつからお泊まりやお出かけをいっぱいするようになったのとか不思議なもので全然覚えていません。いつの間にかそばにいるのが、隣にいるのが当たり前の存在になっていました。

初期の頃はお互いチームの末っ子で、ワチャワチャして楽しく毎日を過ごしていましたね。

でも月日は流れて、お互いがチームのリーダーと副リーダーを担うようになりました。

初期の私たちを見ていた人からしたらきっと考えられへんかったこと。先輩たちの背中に甘えてばっかりだったから、いざ自分たちが皆をまとめる立場になった時どうすればいいのかお互いわからへんくて、教わったことを後輩にうまく伝えられず、たくさんチームのことで話し合うようになりましたね。

綾巴さんはめちゃくちゃ優しいから決して厳しいことを言ってまとめるタイプではなかったけど、その分1人1人に愛を持って接し、皆をまとめてくれました。私たち後輩はその背中をしっかりと見ていました。

振り返ってみれば綾巴さんがリーダーとして一番大変な時期にちかは何もしてあげられなかったです。話を聞いてあげることも、つらい時にそばにいてあげることも、そして悩んでた時にうまく言葉をかけられなかったです。

先輩が少ないチームやからなかなか相談する先輩も少なくて、1人でたくさん抱え込んできていたんだなと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいです。

その上、リーダーの重圧だけではなくエースとしてセンターに立つプレッシャー、様々な番組でのMC、たくさんの重圧を背負ってきて、そんな中でも後輩や私の前では絶対に弱いところを見せへんかった綾巴さん。アイドルが好きで、アイドルになったのに、いざなってみると楽しいことだけじゃなくて、つらいことの方が多かったと思います。

前にいる人には前にいる人の悩みがあって、後ろにいる人には後ろにいる人の悩みがあります。悩みがない人なんておらへんと思います。

誰もが上を目指すからこそ悩みはつきものです。皆が皆、納得することなんてなかなかないし、いい言葉だけじゃなくて悲しくなる言葉もたくさん言われたことあると思います。

心で1つ1つ受け止めて、多くのことを綾巴さんは乗り越えてきたんだなって改めて思いました。でもこれはちかなんかより綾巴さんのファンの皆様、そして綾巴さん自身が一番わかっていることだと思います。

チームSとして同じチームでずっと活動することができてほんまに幸せでした。それだけでも凄いことやけど、欲を言えば一緒にSKE48の選抜に入りたかったです。

ずっと一緒におって、ちかにとっては選抜として活動している綾巴さんがめちゃくちゃまぶしかったです。

いつか自分も同じ所に行くんだって思って頑張って、やっとちかが掴むことができた時、そのシングルを歌うメンバーの中に綾巴さんはいませんでした。

その時に言ってくれた「綾巴が選抜に戻るまで選抜に入り続けてね」その言葉を信じて、その言葉を信じてたのに。一緒に選抜に入ろうって言ったやん。「入り続けてな」って言ったやん。

一作前の「Stand by you」で選抜に入ることができていたらって今更後悔しても遅いけど、何回も何回も悔やみました。

いつもちかが夢を叶えるまでに時間がかかりすぎてしまい、じっぱーで一緒に選抜に選ばれるという夢を叶えられへんくてごめんなさい。

ほんまはめちゃくちゃ寂しくて、寂しくてたまりません。この先ずっと会えへんわけじゃないけど、寂しいです。

約6年間隣にいた人が来月からおらへんくなるんやって考えただけで涙が止まらへん。

綾巴さんは今まで出会ったリーダーの中で一番1人1人のメンバーに愛情を注いでくれて、誰よりもチーム愛が強くて、世界で一番優しいリーダーやったと私は思います。

これから先もずっと、顔がしわしわのおばあちゃんになっても隣やて手をつないで歩いていたいです。

綾巴さん、約7年間よく頑張ったね。今までずっと周りのことばっかりを大切に考えてきた分、たくさん我慢してきた分、これからはいっぱいいっぱい自分のことを考えてくださいね。今度は綾巴さんがたくさん幸せになる番です。

ありがとうを何回言っても足りひんぐらい感謝の気持ちでいっぱいです。

ちかにとって綾巴さんは世界で一番幸せになってほしい人です。

友達でもなく、親友でもなく、綾巴さんはちかの相棒です。

改めて卒業おめでとうございます。

綾巴さんのことが大好きすぎていっぱい嫉妬しちゃう松本慈子より

(2019年9月21日 SKE48劇場 チームS「重ねた足跡」公演 ※北川綾巴 劇場最終公演)

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