弘菜へ

お誕生日おめでとう。

時の経つのは早いもので、君が誕生日してから20年の歳月が流れました。

多くの人からたくさんの愛情をいただき、少し照れ屋だけど明るく思いやりのある人間に成長してくれたと思っています。

2016年3月13日、君からあることを打ち明けられました。「内緒でHKTのオーディションに応募していた。一次審査を通過したので二次審査を受けたい」と。正直戸惑いました。

でも、この子の希望の芽を何もせずに摘んではならないと思い、チャレンジすることに同意しました。

ただ、君のことだから福岡でのオーディションはお金がたくさんかかるからやめると言い出すのではないかと危惧し、君が大好きだったじいちゃんの名前を出して背中を押したのです。

とは言っても、実のところ、パパの心のどこかに「どうせ合格はしない。一度チャレンジしたらそこで満足するだろう」とのズルイ思いがあったのも確かです。

北海道と福岡を何度か行き来し、二次、三次のオーディションを通過。そして最終審査。

7月6日、福岡にいる君から泣きながら「合格した」との電話がありました。

家族でこれからの君の人生について話し合い、パパは「辞退することも選択肢の1つ」と提案しましたが、君の意思は固いものでした。

福岡へと旅立つ7月17日、朝日を浴びたバスターミナルには君の友達がたくさん来ていて、パパはその輪の中に入ることが出来ず、車の中から見送ることにしました。

君を乗せたバスがゆっくりと小さくなってゆき、やがて見えなくなった瞬間、何とも言えない喪失感と虚脱感に襲われたことを今でも鮮明に覚えています。

あれから約2年。嬉しいこと、楽しいこと、怖いこと、色んなことがありましたね。

最下位になった運勢占い、日向ちゃんと号泣したバンジージャンプ、みるんさんとのじゃんけん大会優勝、シングル初選抜、2018年の選抜総選挙では84位などなど、また一方で自分の心の中に閉じ込めたつらいこともたくさんあったと思います。

しかしこの間、君は温かいファンの皆様やHKTのスタッフ、メンバーに支えられ、君なりにゆっくりだけど一段一段着実に階段を上っているように思います。

HKT48に加入できて本当に良かった。パパはつくづくそう思っています。

今年の総選挙、君の名前がコールされた時、HKTのメンバーの皆さんが我が事のように飛び跳ねて喜んでくださっている姿、しなもんさんが君の肩を抱いてステージへと向かう姿、何度見ても熱いものがこみ上げてきます。

ゼロから、いやマイナスからのスタートで、もがき苦しみ、泣きながら歩んできたこの2年間、そしてこれから歩みを進めていく試練と歓喜の歳月は君の人生においてかけがえのない宝物になると確信しています。

これからもファンの皆様と絆やメンバーとの輪を大切にして、お世話になった方々、お世話になっている方々への感謝を忘れず、今の自分を更に高める努力を惜しまず、でも背伸びしすぎず、君らしく身の丈に合った活躍をしていってください。

最後に。運上弘菜のファンの皆様、いつもいつも本当にありがとうございます。どうか今後とも運上弘菜の応援をよろしくお願い致します。

パパより

(2018年8月28日 西鉄ホール チームKⅣ「制服の芽」公演)